未分化型初期胃がんからの帰還

2015.5.14の未分化型胃がん発覚から入院・手術・退院まで あっという間の6週間の日誌です。同じ経験をされる方の参考になれば幸いです。古い記事を頭に持ってくるためにブログの日付が逆行しています。ご容赦ください。5年間は年2回ペースで投稿します。

2015-07-26から1日間の記事一覧

0.プロローグ 2015年7月9日(木)

「はい、傷跡の治りも良好ですね。」 診察台から降りた私にK3先生は明るく続けた。 「切り取ったところの病理検査も問題なし。がん細胞は一番表層の粘膜部分にしかありませんでしたよ。一緒に切除したリンパ節もOK。ステージⅠというレベルでしたね。5年生存…

1,あっさり宣告される 2015年5月14日(木)

「小滝さん ここ、がんになってましたね。」 GW明けの5月14日(木)13:30、Aクリニックの診療所で僕はあっさりがん宣告された。 「このかどのところね、胃角部というんですがここに薄く砂をまいたように病変がありますね。生検でがんと結果が出まし…

2,そもそもなぜ胃カメラ検査を受けたのか

胃に関しては、ごく若い頃から空腹時にしくしく痛むことがあり、いわゆる「胃腸が弱い」という自覚はあることはあった(思春期、胃が痛いことは少し誇らしい感じがした)。 数年前にピロリ菌検査が陽性だったが、日本人の大半がもってるとか何とか聞いたこと…

3,告知 その日は 2015年5月14日(木)

家に電話したあと、開業している従兄に電話したが当然のごとく診察中だったので、コールバックをお願いする。 10分ほどで従兄のK先生から電話が来る。 わけを話すと、びっくりしながらもすぐ、S病院を推薦してくれた。 その日は、1時半に検査結果を聞いた…

4,誰にいつ話すか 2015年5月15日(金)

告知翌日の15日、いつもどおり少し早めに会社に行き、やはり早く来ていた監査役に話した。 監査役は、私の父の代から役員を務め、私が会社を引き継でからもずっと頑張り続けてくださっている大先輩だ。まずこの人に伝えなくては。 次に出社してきた弟ふた…

5,S病院初受診まで 2015年5月15〜20日

5月15日(金) 昼前に紹介状をいただきにSクリニックに行き、またもや2階のテラスで(今度は座れた)S病院に予約の電話を入れる。 「病名は?」と聞かれ、一瞬間を置いて「胃がんだそうです」と答える。 極めて事務的に「では、消化器内科の先生が20日…

6,S病院初受診 2015年5月20日(水)

この日、会社を休み11時からの消化器内科の初受診に家人と赴く。 S病院は開院6ヶ月のできたてホヤホヤ、とてもきれいで近未来的な病院だ。 事務スタッフ、看護師はもちろん、案内係のボランティアの方など、人員もとても充実している。 血液検査や尿検査…

7,初診から二週間は検査の日々 入院日も決まった  2015年5月22〜29日

初診から二日後の5月22日(金)は朝イチでCT検査。 看護師さんがCTに横たわった私の脇についてくれ、温めた造影剤を静脈から注入。 瞬間で体が熱く感じる(特に頭)。 血液というのは心臓がドッキンとなる1秒からそこらで体中をめぐるのだそうだ。 ぐあ…

コラム1 肺機能検査の看護師さん

初診日の検査だったと思うけど、肺機能検査があった。 いわゆる肺活量の検査だ。 鼻をクリップでつままれ、白い紙の筒をくわえて息を吐くやつ。 「はい 息を吸えるだけ吸ってぇ 止めたら フゥーーーーーっ!!っと吐いてぇ ハイ もっともっともっとぉーーっ…

8,入院前は何かと気ぜわしく 2015年6月1〜8日

入院前、6月1日(月)の週は日々の業務や、入院前にやっておかねばならないことなど、何かと気ぜわしく過ぎた。 入院と関係なく予定されていた会議や来客、入院前に決めなくてはいけない細々としたこと等々。 業務上の事が多く、詳しく書いても面白いとこ…

9,入院当日 2015年6月9日(火)

朝、子どもたちを送り出して家内と車に荷物一式を積んで病院に向かう。 玄関でカート一つでは足りずまごまごしていると、ガードマンの方がすぐもう一つ持ってきてくださる。 正門から入り、指示されていたとおり受付を通さず総合サポートセンターへ。 入院患…

コラム2 看護師さん

私のいた13階東病棟は、主に手術を受ける患者さんのための外科病棟だったようで、ギプスをしている怪我のひとは西病棟のようだった。 東だけで看護師さんは常時5〜6人。皆親切で行き届いた看護をしてくださった。 体の自由が効かないあいだ数回ナースコ…

10.いよいよ手術を受ける  2015年6月10日(水)

5:50ごろに起床。 朝食は抜き。 渡されていた経口補水液(CMよく見るやつ 決して美味しいとはいえない)を飲みながら、院内コンビニで買った新聞を読み、トイレを済ませる。 8時過ぎには家内が来る。 世間話をしていると、看護師さんがやってくる。 術…

11.覚醒 2015年6月10日(水) 夕方

わやわやわや・・ なにかイベントが終わった時のような、安堵感漂うざわめきが耳に入った。 「終わったんだ」 薄く目を開けると同時に息をしていないことに気づく。 なのに苦しくない! 説明は受けていたが、これはちょっとびっくりな体験だ。 「あ 気がつい…

12.早くも食事OKに 2015年6月12日(金)

浅い眠りから覚めた9時ごろ、男性看護師Nさんが来て尿道カテーテルを抜いてくれた。 痛い、という程ではなかったがなかなか抜けきらず、「うひょー」という声が自然と出た。 結構長いチューブが入っていたなぁ、というのがその時の感想。 Nさんにお腹よりあ…

13.食事開始 2015年6月13日(土)

朝9時、待ちに待った朝食! 五分粥に、ニンジンと大根の煮物、がんもどき、キャベツの味噌汁、牛乳 「一回ごとに30回は噛むように、一度の食事に30分かけるように」 という指導を順守したつもりだが、おかゆなどはいつの間にか口の中から消えてしまう。…

14,退院の話 シャワー&アイスクリーム 2015年6月14日(日)

朝の回診で、シャワーが解禁になる。 先生方に前の日に作成した食べてたいと思っているものリストを見せる。 アイスクリーム、飴、和菓子、ヨーグルト、チョコレート等々・・ 「どれを食べても問題ないですよ」とのこと。 「やった!」 思わず小さなガッツポ…

15.退院が決まる 2015年6月15日(月)

この日は4:30に目覚める。 足が細くなってるような気がして、病院の敷地内を散歩。 ベンチに腰掛けて朝日を浴びるととても平和な気分。 「あ〜あ」 と大あくびをしたいが、まだ痛いので、小さく2回にわけてあくびをする。 もちろん、くしゃみなんか出た…

コラム3 外科の見舞客は声がでかい

手術の翌日、硬膜外麻酔を取って痛みにひたすら耐えている時、隣の個室の見舞いに来たお客数名の声がでかくて、本当に堪えた。 しかも彼らは、どこかと電話連絡をとっているらしく、わざわざ廊下まで出て「あっはっは」などとやっている。 自分では声も出せ…