2015-01-01から1年間の記事一覧
「はい、傷跡の治りも良好ですね。」 診察台から降りた私にK3先生は明るく続けた。 「切り取ったところの病理検査も問題なし。がん細胞は一番表層の粘膜部分にしかありませんでしたよ。一緒に切除したリンパ節もOK。ステージⅠというレベルでしたね。5年生存…
「小滝さん ここ、がんになってましたね。」 GW明けの5月14日(木)13:30、Aクリニックの診療所で僕はあっさりがん宣告された。 「このかどのところね、胃角部というんですがここに薄く砂をまいたように病変がありますね。生検でがんと結果が出まし…
胃に関しては、ごく若い頃から空腹時にしくしく痛むことがあり、いわゆる「胃腸が弱い」という自覚はあることはあった(思春期、胃が痛いことは少し誇らしい感じがした)。 数年前にピロリ菌検査が陽性だったが、日本人の大半がもってるとか何とか聞いたこと…
家に電話したあと、開業している従兄に電話したが当然のごとく診察中だったので、コールバックをお願いする。 10分ほどで従兄のK先生から電話が来る。 わけを話すと、びっくりしながらもすぐ、S病院を推薦してくれた。 その日は、1時半に検査結果を聞いた…
告知翌日の15日、いつもどおり少し早めに会社に行き、やはり早く来ていた監査役に話した。 監査役は、私の父の代から役員を務め、私が会社を引き継でからもずっと頑張り続けてくださっている大先輩だ。まずこの人に伝えなくては。 次に出社してきた弟ふた…
5月15日(金) 昼前に紹介状をいただきにSクリニックに行き、またもや2階のテラスで(今度は座れた)S病院に予約の電話を入れる。 「病名は?」と聞かれ、一瞬間を置いて「胃がんだそうです」と答える。 極めて事務的に「では、消化器内科の先生が20日…
この日、会社を休み11時からの消化器内科の初受診に家人と赴く。 S病院は開院6ヶ月のできたてホヤホヤ、とてもきれいで近未来的な病院だ。 事務スタッフ、看護師はもちろん、案内係のボランティアの方など、人員もとても充実している。 血液検査や尿検査…
初診から二日後の5月22日(金)は朝イチでCT検査。 看護師さんがCTに横たわった私の脇についてくれ、温めた造影剤を静脈から注入。 瞬間で体が熱く感じる(特に頭)。 血液というのは心臓がドッキンとなる1秒からそこらで体中をめぐるのだそうだ。 ぐあ…
初診日の検査だったと思うけど、肺機能検査があった。 いわゆる肺活量の検査だ。 鼻をクリップでつままれ、白い紙の筒をくわえて息を吐くやつ。 「はい 息を吸えるだけ吸ってぇ 止めたら フゥーーーーーっ!!っと吐いてぇ ハイ もっともっともっとぉーーっ…
入院前、6月1日(月)の週は日々の業務や、入院前にやっておかねばならないことなど、何かと気ぜわしく過ぎた。 入院と関係なく予定されていた会議や来客、入院前に決めなくてはいけない細々としたこと等々。 業務上の事が多く、詳しく書いても面白いとこ…
朝、子どもたちを送り出して家内と車に荷物一式を積んで病院に向かう。 玄関でカート一つでは足りずまごまごしていると、ガードマンの方がすぐもう一つ持ってきてくださる。 正門から入り、指示されていたとおり受付を通さず総合サポートセンターへ。 入院患…
私のいた13階東病棟は、主に手術を受ける患者さんのための外科病棟だったようで、ギプスをしている怪我のひとは西病棟のようだった。 東だけで看護師さんは常時5〜6人。皆親切で行き届いた看護をしてくださった。 体の自由が効かないあいだ数回ナースコ…
5:50ごろに起床。 朝食は抜き。 渡されていた経口補水液(CMよく見るやつ 決して美味しいとはいえない)を飲みながら、院内コンビニで買った新聞を読み、トイレを済ませる。 8時過ぎには家内が来る。 世間話をしていると、看護師さんがやってくる。 術…
わやわやわや・・ なにかイベントが終わった時のような、安堵感漂うざわめきが耳に入った。 「終わったんだ」 薄く目を開けると同時に息をしていないことに気づく。 なのに苦しくない! 説明は受けていたが、これはちょっとびっくりな体験だ。 「あ 気がつい…
浅い眠りから覚めた9時ごろ、男性看護師Nさんが来て尿道カテーテルを抜いてくれた。 痛い、という程ではなかったがなかなか抜けきらず、「うひょー」という声が自然と出た。 結構長いチューブが入っていたなぁ、というのがその時の感想。 Nさんにお腹よりあ…
朝9時、待ちに待った朝食! 五分粥に、ニンジンと大根の煮物、がんもどき、キャベツの味噌汁、牛乳 「一回ごとに30回は噛むように、一度の食事に30分かけるように」 という指導を順守したつもりだが、おかゆなどはいつの間にか口の中から消えてしまう。…
朝の回診で、シャワーが解禁になる。 先生方に前の日に作成した食べてたいと思っているものリストを見せる。 アイスクリーム、飴、和菓子、ヨーグルト、チョコレート等々・・ 「どれを食べても問題ないですよ」とのこと。 「やった!」 思わず小さなガッツポ…
この日は4:30に目覚める。 足が細くなってるような気がして、病院の敷地内を散歩。 ベンチに腰掛けて朝日を浴びるととても平和な気分。 「あ〜あ」 と大あくびをしたいが、まだ痛いので、小さく2回にわけてあくびをする。 もちろん、くしゃみなんか出た…
手術の翌日、硬膜外麻酔を取って痛みにひたすら耐えている時、隣の個室の見舞いに来たお客数名の声がでかくて、本当に堪えた。 しかも彼らは、どこかと電話連絡をとっているらしく、わざわざ廊下まで出て「あっはっは」などとやっている。 自分では声も出せ…
おかげさまで4年半、今月のCT検査も無事合格です。 うちの先生は割と口数の少ないタイプですが、そのぶんなのか診察の時、我々患者の目の前にあるモニタのカルテを共有してくれます。 「最近の体重は?」なんてことを聞いて入力していき、「では先週の検査…
最終日、朝の目覚めは6:30 最後の散歩を楽しみ、朝食後の安静のあと、シャワーを浴びた。 体重を測ってみると入院時より5%ほど減っていた。 9:30頃には家内が来て、一緒に荷造り。 部屋をきれいにしてしまうと、もうすることがない。 ナースステー…
6月17日(水) いろいろアドバイスいただいた精神的支柱、従兄の医師に退院の旨電話。 取引先の特に親しい方々にもメール。 保険でお世話になっている、大学の先輩に電話。 今後は保険料の支払いが不要になるとのこと、ちょっとラッキー。 病院と違い、手…
もともとBMI22の標準体重だったので、タニタの体脂肪計付きの体重計に乗るとだいたい実年齢の54歳より12〜14歳くらいは若い体内年齢が表示されていた。 退院後の体重減少でさらに拍車がかかり、38歳になることも。 「手術して健康になったなぁ」 こ…
相変わらず元気に会社に行っている。 みんなと行こうと楽しみにしていた旅行会は大事を取って同行しなかった。 短い期間だが、社長がいない期間を経験出来たことは、会社のみんなにとっては良いことだったと思う(すこしは楽も出来たと思うし・・)。 体調が…
入院中にTVをみていたら、がん手術を4回受けてるスーパー爺さん鳥越俊太郎が話していた言葉。 痛みが出た時にはがんが大きくなって神経に何らかの刺激を与えている状態なのだそうだ。 「だからこそ、節目節目に検査を受けることが、がんによる死から逃れる…
最後まで読んで頂きありがとうございました。 少しは参考になるところもあったでしょうか? 初期胃がんは、見つかりさえすれば治る病気です。 皆さんも安心して前向きな気持で治療に専念してください。 これからは小説形式を離れ、なにか体調に変化があった…
手術前の日におへそをきれいに消毒された話をした。 手術のあとで聞かされたのだが、このおへそからカメラを入れたり、切除した胃を引っ張りだしたりしたらしい。 よく見ると、おへそに縦の切れ目が入っている。 「え〜おへそをそんなことに使ったんですか」…
8月1日現在、おへそを含め5箇所の傷跡は押してちょっと痛い程度。 お腹におへそが4つ増えたようだった外観もだいぶマシになってきた。 一つ一つの傷跡は1〜2センチ程度に縮小した。 触ってみるとこりこりとしていて、軟式テニスボールの空気を入れると…
おかげ様で、全体的な体調は以前の7〜8割まで戻りました。 夏カゼをひいて、ここ1週間ぐらいはなるべく無理をしないようにしています。 1,食欲 結構あります。 家族のために週末の夕食作りも再開。 先週は、豚すき焼きと、カルボナーラパスタを作りまし…
8月24日とあまり変わりなしです。 体重はまたちょっと減りました。 59キロを下回らないように気をつけたいです。 一旦お腹を下すと、体力減退がひどいので腹巻きをして寝ています(笑)。 体力づくりには睡眠が一番ですので、友だちに勧められたメラト…